あさひなぐー薙刀眼鏡女子高生、どこまで進む?

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武道漫画というと、随分と力のこもった設定を思い描いてしまうのは、柔道一直線や六三四の剣を思い出してしまう年代の人間でしょうが、現代でもそれに近い雰囲気を醸し出している薙刀少女のマンガです。

主人公は、中学では美術部に所属し武道どころか運動部経験ゼロの眼鏡の女の子ですが、何の因果か薙刀部に入部し、幼いころから薙刀をやっていた純粋培養の同僚の中で、めげては奮い立ち考えては勇みして、県大会・地方大会・全国大会レベルまでその力を発揮してゆく物語です。

薙刀というのは、剣道に比べて間違いなくマイナーな武道ですので競技人口も少なく女性専用とまで思われているかもしれませんが、戦国時代の馬上武器として長柄と呼ばれる槍の先に刀剣をつけた武具が発祥で、のちにそれが地上武具として独立したものが薙刀です。歴史的に見れば、それなりの過程を経てきた武道なのです。

個性あふれるサブ・キャラクター一人一人のそれぞれが薙刀に対する思い入れと願いがあり、それが話が進むにつれてにじみ出てくる中で、主人公はそれらを正面から受け止めて自らの薙刀の中で昇華しながら、一段一段と力をつけてゆく過程が、丁寧に描かれています。

全国制覇といった夢物語的な話ではなく、最初は地区での惨敗から始まって、少しづつではあるものの間違いなく高みに近づいてゆく確かな足取りが、キャラクターの個性と絡み合ってつづられるさまは、実際の高校女子の目線から外れない堅実さを表しています。

定番の淡い恋心なども織り交ぜながら、武道女子の世界を本人目線で描き続けている限り、多くの読者の心にぴったりと吸い付いてゆくでしょう。

もと大学選手権者の尼さんが彼女らのコーチを務めていますが、彼女も実は薙刀に関して同級生との間でトラウマを抱えているのも、この先の展開に影響しそうです。この先が楽しみな正統派マンガです。